191. 新型コロナ、三陸沖地震、ウクライナ紛争、目まぐるしく変わる世界情勢(2022年5月号)

新型コロナ第6波がなんとか収まりつつある。多くの都道府県で蔓延防止等重点措置が解除になった。飲食店の夜間営業時間が長くなり、酒類の提供も許可になったので、夜のお店は生気を取り戻した。それに桜の開花も始まったので、人々の気分も盛り上がっている。

しかしコロナBA-1に代わって今度はBA-2(ステルス・オミクロン)が顔を出している。感染力は強いが重症化しないという点ではBA-1と同じだが、防御をかいくぐって感染しやすいので、ステルスなどともよばれている。しかし予防接種がかなりいきわたっているので、さほど心配する必要はなさそうだ。

つい最近、三陸沖でまた地震があり、新幹線が脱線した。幸い転覆しなかったので大惨事はまぬかれたが、山形新幹線は向こう1か月運転中止だそうだ。

目を外に向けると、今、世界中が最も注目しているのがウクライナ紛争だろう。ある日突然ウクライナで戦争が始まった。ロシアがウクライナはもともとロシア連邦の一部だったと主張して乗っ取りにかかり、ウクライナが激しく抵抗したため双方に多くの死者がでた。この平和な時代にまた戦争が始まったのかと私は驚いた。

多くの国がロシアの暴挙を非難したが、ロシアの攻撃は止まらず、アメリカ、ヨーロッパ諸国、日本も共同で経済的制裁を科した。ロシアの内部からもプーチン大統領の強引な政策に反対する声も上がったがすぐに警察がきて逮捕した。政府に反対する自由な発言はこの国では許されない。
戦争で一番困るのは武器を持たない一般市民だろう。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、ロシアのウクライナ侵攻によって生じた周辺国等への避難民の数は1000万人、国内で支援を必要とする人は1200万人にも上るという。第二次大戦後最大の人道危機が発生しているとの報告があった。この中にはいろいろな身体的、精神的疾患もあり、けが人もいるだろうし、持病を持っている人もいるだろう。透析患者は透析治療が受けられないとなると、死に至るのは避けられない。もちろん病者には、てんかん患者さんも含まれる。果たして彼らに必要な薬が手に入っているだろうか。道端で発作を起こし、倒れている人を想像すると気が滅入る。早く戦争は終わらせなければならない。

最初私は強力な軍事力を持つロシアは短期間で、ウクライナを占領してしまうだろうと考えたが、ウクライナの反撃が強く、ここ数週間、戦いは硬直状態だ。それでロシアは無差別に学校、幼稚園、病院、一般住宅、そして原子力発電所まで攻撃し、地下壕に避難している一般市民にも多くの犠牲者を出した。

プーチン大統領は頑固な人らしい。秘密警察(スパイ)出身で、大統領までのし上がってきた人だ。昔のドイツの独裁政治家、皇帝アドルフ ヒットラーに例えられるような、権謀、術策に富んだ人らしい。プーチンの取り巻き、彼の下で巨大な財産を築いた数人の新興財閥(オルガルヒと呼ばれている)がいるが、彼らは今や、世界からの経済締め付けのため、プーチン離れが進んでいるというニュースが流された。戦争は早くやめてほしい。

「成人期てんかんの特色」大沼 悌一

(この記事は波の会東京都支部のご許可を得て掲載しているものです。無断転載はお断りいたします。)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする