201. 失敗は成功のもと、成功のもとがいっぱいあっていいね (2024年1月号)

「自己肯定感」という言葉がある。「弱い自分を認める言葉」です。自己肯定感が低い人は「周囲の目が気になる」、「メンタルが弱い」、「周囲の『だめ』に過敏に反応する」。「悪いことは自分のせいだと思う」、そして「努力し続けるが自信がない」、「苦しくてつらい」、「落ち込む」、我慢できなくなり、「イラつく」、「やけ」を起こす、「反抗する」、そしてますます苦境に追い込まれる。「いじめ」にも弱い。「死んだ方がいい」とすぐ口にする。

一方、自己肯定感が強い人は、「周囲の目が気にならない」、「メンタルが強い」、「生き方を大切にしている」、「人生を楽しんでいる」、「自分の欠点を認めたうえで、ポジティブに変換できる」。
あなたはどちらに属しますか?

自己肯定感を高めるためには、まず「本来の自分を受けいれる」、「失敗を否定しない」、「毎日の出来事を肯定的に受け止める」、「自分の意見や気持ちを大切にする」事が必要である。この自己肯定感は性格的な強さ、弱さや、失敗したとき自分を責める傾向が強いか、弱いかを表現すもので自己肯定感が低いからと言って病気ではない。

しかし「てんかん」や、「精神疾患」がある人は、病気から、あるいはストレスが重なり、判断力も弱まり、そして「自己肯定感」が弱まりやすい。幼少時から病弱で苦い体験があれば、イラついたり、落ち込んだりして、回復に時間がかかる。しかし指導する側から見れば、精神科的疾患があるかどうか関係なく、少しでもいい方向に指導していきたいと思う。

「自己肯定感」が低い人は、教育現場でも起こり、不登校、いじめに通ずる。
家庭内で起これば、家庭内暴力もありうる。

私の患者さんでも様々な問題を抱えている患者さんはたくさんいる。それらの人達は、概して自己肯定感が低い。

例を挙げる。30台の女性。3歳の時脳内出血を起こし、左半身に軽い麻痺を残した。しかしどうにか普通小学校・中学校を卒業した。
中学卒業したころから、歩行時に補装靴が必要になり、左足に補装靴を作成したが、それがしっくりしない。歩くのも不自由で、足が痛い。そしていつも不平不満がいっぱいある、自分の能力をはるかに超えた不可能なことを夢見て、できないと知って落ち込み、悲しんでいる。山に登りたいとか、海で自由に泳ぎたいとか、自分にできる以上なことを要求する。現実吟味能力に欠けている。この人をどうやって楽しい気分にしてあげられるだろうか。ほめてあげて、気持ちを楽にしてあげられないものだろうかと考えた。そして思いついた言葉は「自分に正直でたいへんいいことです」というほめる言葉だった。この話、おかしい?

「成人期てんかんの特色」/大沼 悌一

(この記事は波の会東京都支部のご許可を得て掲載しているものです。無断転載はお断りいたします。)

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