192. 新型コロナ、ウクライナ戦争、混乱する世界情勢、弱い立場の人はどうなる(2022年7月号)

ウクライナでの戦争は長期化してきた。独裁政権のロシアと自由主義国家(日本や欧米)との争いは、ついに世界の経済に大混乱をひき起こした。物価が上昇し、株価は大暴落した。女性や子供、障碍者、高齢者など弱い立場の人々が最も困った状況に陥った。

ウクライナでのこの状況下でUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は各国からの支援を求めて次のようなアナウンスをだした。「戦争が長期化し、紛争や迫害により、故郷を追われた難民・避難民を国際的に保護し、水や食料・毛布などの物資の配布や難民キャンプなどの避難場所の提供、保護者を失った子供のケアなどが緊急に必要です」。またユニセフは今年5月11日の時点で「ウクライナでは、おそらくこれまで見たこともないほどの、極めて深刻な子どもの保護の危機が起きています。紛争激化から2カ月で、770万人が国内避難民となり、550万人以上が国外に避難しており、こうした中にはウクライナの子どもの3分の2近くが含まれています」。また日本にはウクライナ避難民は現時点で979名に達しているというが難民申請は3人のみで、これ以外の方はウクライナに帰りたいので「難民申請」はしないという。日本では難民申請のハードルが高いらしい。

一方、新型コロナ感染は世界的に落ち着きを見せてきた。しかし北朝鮮ではどういうわけか、コロナ感染が急激に増加し、5月16日現在24時間以内に26万3910人(人口の5%)が発熱し1日で9倍に増えたという。この国は共産党独裁国家であり、情報はすべて政府によりコントロールされており、都合の悪い情報は流されない。各種ミサイルを打ち上げ、核実験の準備もできているといいながら、人民は飢えに直面しているらしい。ロシアも同様、共産党独裁で、都合の悪い情報は流されず、反対すれば警察が介入するらしい。かつて日本も軍部が台頭し、アメリカ相手に戦争始めたが、当時は軍部独裁で反対意見を言うと、憲兵に逮捕された経験を持つ。敗戦後は自由主義国家となり、反対意見にも耳を傾ける体制が出来上がった。反対意見も切り捨てないということが重要で、独裁政権と違うところである。

最近コロナに代わって小児の「肝炎ウイルス」が欧米で多発するようになった。腹痛、下痢、嘔吐が主症状で、アデノウイールスが原因であり、コロナ・オミクロン株が関係しているらしいと専門家会議の報告がある。WHOによると患者の年齢は生後1か月から16歳で、おもな症状は吐き気、下痢、腹痛、目や皮膚が黄色(黄疸)になるという。169例がヨーロッパと米国で、また日本では7例の報告がある。今後注意が必要である。

ロシアの越権行為に対して日本や欧米諸国が経済制裁を科した。石油や天然ガスなどロシア製品などを買わない、ロシアのお金(ルーブル)を使用禁止にする等であり、これによってロシア経済は急速に悪化に向かい、身の回りの生活用品の品不足と価格上昇に直面しているらしい。しかし制裁を科した側も返り血を浴び、物価が上昇している。いいことは何もない。早いうちにこの混乱が収まることを期待する。

「成人期てんかんの特色」大沼 悌一

(この記事は波の会東京都支部のご許可を得て掲載しているものです。無断転載はお断りいたします。)

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