193. 混乱する世の中。これからどうなる。どうする(2022年9月号)

コロナ第7波は今が真っ盛り、オミクロン株第7波が日本を襲ってきた。発症は特に若年者に多いが、幸いにも病状は軽いので、社会活動が制限されずに来たのも誘因の一つかもしれない。また濃厚接触者の待機期間が10日から5日に短縮され、かつ抗原キット陰性であれば、3日で解除されるようになった。これは間違ってはいないが、東京都の新規発生者は1日3万人を超え、世界で最大となった。

私の関係する数か所の障碍者施設でもクラスターが起こり、人の出入りが禁止になり、数人が緊急入院となった。私の外来患者でも数人が発生し、外来治療は主に「電話診察」となった。この波はそのうち下火になるだろうが、次の株「ケンタウロス」が待っている。これはあまりにも異様な株なので、ギリシャ神話の「半人半獣」に例えてこう呼ばれる。それから世界のあちこちで、「サル痘」と呼ばれる伝染病が報告されており、これは発疹を伴う急性伝染病だが、アメリカでは緊急事態宣言がだされた。そのうち日本にも来るかもしれない。


韓国で生まれた新宗教「世界統一教会」が霊感商法を編み出して、社会問題化され、ついに旧総理大臣,安倍晋三氏が暗殺された。この宗教は「伝道」、「経済活動」、「合同結婚式」などを行い、高額な寄付を勧誘し、反対意見する人を「あなたは信仰が足りない」、「天国に行けない」、「サタンがついている」などと脅すという。恐ろしい宗教だ。この宗教を放置しておいてはいけない。


また 最近の異常気象も目に付く。とにかく毎日が熱い。東京は今日(令和4.7.30)の予報は最高34.5度とでた。過去に群馬県伊勢崎市40.2度(本年6月25)、埼玉県鳩山市39.9度(本年6月30)の記録がある。地球温暖化現象の現れと解釈される。この温暖化に大きな影響を及ぼすのは大気中の二酸化炭素であり、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料の使用が急増し、大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以前(1750年頃)に比べ約40%増加しているという。そのうち南極の氷が解け、海水が増加し、日本列島のかなりの部分が水没する可能性がある。脱炭素療法が間に合うかしら。

以上述べた最近の困難な情勢を迎えつつ、てんかんなどの病気を持つ障碍者、およびその家族はどう生活したらいいのだろうか。そして我々医師や支援者はどうアドバイスしたらいいのだろうか。外に出れば毎日が熱くて、かつコロナが危ない。そして自宅に閉居すれば、ストレスが付きまとう。本人及び家族が情緒不安定になり、家庭内不和が起こりやすい。答えは簡単であるが、やるのに時間がかかる。

それは家族と本人との間に距離を置くことである。細かいことへの注意は差し支える。あれはダメ、これもダメ、こうしなさい、ああしなさいは言わない。それに代わって、やむなく注意するなら「私ならこうするよ」、「私ならこうしない」と教える。それとともに患者本人をほめることを勧める。「随分 おりこうさんになったね」といえば、にっこりと笑ってくれる日が来る。私も患者さんにこの手を使っている。

「成人期てんかんの特色」大沼 悌一

(この記事は波の会東京都支部のご許可を得て掲載しているものです。無断転載はお断りいたします。)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする