187.コロナとオリンピックが混在する町・東京(2021年9月)

東京2020オリンピック・パラリンピックは1年遅れて今年7月23日に開会式を迎えた。そして205か国から選手約18000人、メデイア関係46000人が参加して開催が始まったという。競技はテレビを通して全国に発信された、多くの人はテレビニュースにくぎ付けになっているようだ。

一方外を見れば、コロナウイルスはついに第5波が来て爆発的に感染拡大し、感染者は全国で1万人を超えた(注:令和3年7月31日現在)。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置がなされた。オリンピック会場では、感染防止策として全42会場のうち、国立競技場を含む37会場が無観客となり、参加選手・関係者は毎日検査を受け、外部との接触を避けるなど徹底した対策のもとで競技を行うこととなった。それでも陽性と判断された大会関係者は169名に達したという(7.30現在)。この期になって陽性者と判断された人のストレスはいかばかりかと同情する。

一方町の中では、不要不急の外出は避け、人間同士の密接な接触を避けるため、飲食店ではお酒の提供も大幅に制限されるようになった。しかし守らない人やお店もあり、より強力で強制力のある都市封鎖(ロックダウン)が話題に上がっている。感染者も日に1万人が続いており、このままでは医療崩壊も起こりうると医師会は警告した。

オリンピック競技場では、優勝者はコーチや同僚と互いに抱き合って喜ぶ姿がみられ、これは密な接触となる。密な接触ではあるが自然でもある。しかし感染者がおれば危ない。コロナの感染の防止と、オリンピック競技選手・関係者のできるだけ自由な活動、この二つは互いに相反する側面があるが、何とかうまく両立させなければならない。

コロナ感染の拡大防止にはコロナワクチン接種が全国民にいきわたる必要がある。しかし日本では、まだ接種率はさほど高くない。現在1回目のワクチン接種は全体の38%、2回目の摂取は27%であるという(2021,7.31現在)。60歳以上の高齢者は優先的に摂取されたので、発病者は比較的少なく、今は40-50歳台の感染者が多いという。そして政府は、国民全員にコロナワクチン接種の早急な実施がこの危機を救うとして、国民に理解と協力をお願いしている。

緊急事態宣言、まん延防止等重点措置は今回で4回目、人はまたかとあきれ顔をして、あまり熱心に取組もうとしない人が増えてきている。お酒の提供は禁止されているが。それを守らない人もいる。特に若者は路上のみなどと言って、路上で集まって飲んで騒いでいる人がテレビで放映されている。ストレス解消のために羽目を外しているのだろうか。綱渡り的な危機が今、目の前にあり人々の心は疲れ果てている。

それでは、我々はどうしたらいいのだろうか。特にてんかんなどの病気を持った障碍者はストレス解放のため、何をしたらいいのだろうか。答えは簡単である。みんなと一緒にオリンピック・パラリンピックをテレビ鑑賞して、またとないこの「祭りごと」に持て余したエネルギーを注いでほしい。困ったときには「祭りごと」が不満やうっぷんを晴らす格好の材料となる。素直に感動し、心機一転して明日の明るい生活を期待しよう。

追記:「1日のコロナ感染者は1万人を超えた」(原稿締切日の令和3.7.31現在)と記したが、その後1か月もしないうち2万人を超えた(令和3.8.13)。感染は早い。予防のワクチン接種が後手に回っている。しかし予防接種した60歳以上の方は感染率が低いので予防接種の効果は確実。

ひまわり

「成人期てんかんの特色」大沼 悌一

(この記事は波の会東京都支部のご許可を得て掲載しているものです。無断転載はお断りいたします。)

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