アンサンブルむさし室内楽団の誕生

クリニック課外活動

第1回発表会

当クリニックに楽団ができ上がりました。私事ではありますが紹介します。

私が65歳の定年を過ぎたころ、昔息子が使っていた古いヴァイオリンが出てきた。息子は小学校入学ごろヴァイオリンを始めたが、中学に入ると俺はヴァイオリンをやめたと宣言したので、せっかくのヴァイオリンはお蔵入りとなった。そして20数年がたった。

だれか使う人も出てくるかもしれないと思い捨てるのをためらっていたのである。誰もやらないなら「俺がやろう」と決心し、ヴァイオリン教室に通うことにした。65歳の手習いである。辛抱して続けているうちに何とか人前で弾けるようになった。副院長がピアノを弾くので一緒に合わせているうちに、音楽好きの職員が集まって「アンサンブルむさし」という室内楽団が出来上がった。プロの作曲家の指導を受け、順調に仕上がりついに発表会を開くにいたった(武蔵野スイングホール、2008年4月13日)。

現在団員は私を含めて総勢11人(ヴァイオリン、サックス、フルート、チェロ、ピアノ、トーンチャイム、パーカッションなど)である。

また同じころ高校時代の同級生3人が集まって「トリオ三年一組」が結成された。歌(テノール)、ヴァイオリン、ヴィオラの3人である。いずれも75歳を過ぎた。プロの作曲家、阿知波吏恵先生(国立音楽院講師)に我々の技量にみあうよう特別に編曲してもらい指導を受け、ついに横浜国立大OBで結成されたウータンの会で発表した(2007.4.25及び2010.4.24 横浜市旭区民文化センターサンハートホール)。

レパートリーも増えた。 モーツアルトの「すみれ」、「春へのあこがれ(5月の歌)」、メンデルスゾーンの「歌の翼に」、「緑の森よ」、ドイツ民謡「故郷を離るる歌」、新井満「千の風になって」が出来上がり、これを記念して「阿知波吏恵による歌曲と二つの弦楽のための編曲集」を出版した。アンサンブルむさしとも共演している。

ここに「アンサンブルむさし」第1回発表会のプログラムを載せる。


アンサンブル・日本の四季
第I部

1. おぼろ月夜

2.茶摘~夏は来ぬ

3.紅葉

4. 賛助出演:ヴァイオリン独奏、 マスネ タイスの瞑想曲
(ヴァイオリン:院長のヴァイオリンの先生)

5. 特別出演(ピアノ独奏) ドビッシー夢、喜びの島 
(ピアノ:楽団の指導者、阿知波吏恵)

第II部

6. 友情出演:「トリオ三年一組」
モーツアルト;春の訪れ、すみれ
(バリトン、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン)

7. スペシャル・アンサンブル
ピアソラ:リベルタンゴ
(鍵盤ハーモニカ、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、パーカッション)

8. アンサンブル
 うみ
 ふるさと


■付記:
アンサンブルむさしは「むさしの国分寺クリニック」の職員を中心とし、その家族、友人らが自然に集まって出来た室内楽団である。クリニックはますます忙しくなってきたが、その合間を縫ってアンサンブルむさしは練習をつみ重ねてきた。忙しいなかにあっても、このアンサンブルは砂漠の中のオアシスのごとき一抹の安らぎとこれからへの勇気を与えてくれる。人は時にはおぼろ月夜に垣間見る乙女の姿に心をときめかせ、まだ見ぬ海の向こうの幸せに心をふくらませるとき、生きている幸せを感ずる。発表会は大げさにやる必要はないが、この幸せを皆さんと共有したいと思う。 

(大沼悌一)
2008年4月


演奏会風景
向かって左端が大沼院長、ピアノ加藤副院長
「トリオ三年一組」
大沼院長の高校時代の同級生3人による「トリオ三年一組」
向かって右端が大沼院長(第2ヴァイオリン)
懇親会の風景
懇親会でのワイン(スナップ写真がラベルになった)

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